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Tugumi's NOTE 

決意の瞬間

「やったらいいのに!!」とわかっているのに、あと一歩が踏み出せず、もどかしさを覚える時がありませんか。

80代後半のお客様S子さんは、医師から足の手術を勧められ、ご家族もそれを望んでおられたのに、ずっと踏ん切りがつかずに過ごして来られました。
昔、手術を受けた際、麻酔薬でアレルギーが出たとか、抗生物質が合わない、何よりも手術が怖いと仰っておられました。
そうこうするうちに日常生活もままならなくなり、とうとう外出は車椅子に頼るようになられました。

そんなある日、ご主人さんに車椅子を押してもらい、ご近所の行きつけの美容室へ出かけられました。
車椅子から何とか立ち上がり、杖をつきながら、美容院のドアを開けようとした時。
ガラス越しに、車椅子を折り畳むご主人の姿が映ったそうです。



表情ひとつ変えず、ただ、淡々と、その作業をされるご主人を見て、グラグラと心が揺さぶられたそうです。
それから、とめどもなく涙が頬を伝い、今まで、「手術はイヤ」と我を通してきた自分に気づかれたそうです。
「私はこれからもずっと、主人にこんなことをさせるのか?」と思われ、申し訳ない気持ちでいっぱいになったそうです。

美容院に入ると、美容師さんから、「どうされたの?また足が痛むの?」と聞かれ、「いいえ、大丈夫です」と作り笑いを装われたとか。

ほどなく手術を受けられました。
リハビリもうまくいき、すっかり痛みから解放され、今は、ご主人とお買い物や旅行も楽まれるくらいになりました。

2年が経過し、最近になって「私、誰にも言ってなかったんだけどね・・・」とこの日のことを打ち明けて下さいました。

人生の中で、何度か、このような何気ないターニングポイントの瞬間ってありますよね。

たいていの場合、自分の囚われ、思い込み、恐れ、ご都合主義などに縛られているだけのことだと思います。

何かに、誰かに、後押しされて、一歩を踏み出せば、素敵な未来が待っているのに!

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